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日本女侠伝 真赤な度胸花

1970年、東映京都。降旗康男監督。藤純子、高倉健主演。

藤純子たんの「日本女侠伝」シリーズ第2作
北海道の大自然を舞台にした、「純子たん版マカロニ・ウェスタン」といえる映画ですが、『真赤な度胸花』という痛快なタイトルとは裏腹な、暗くてじめじめしたお話でした。

本作での橘ますみたんの役どころは、益川源次(山城新伍)の女房・お梅。
馬市の利権を狙う大金一家に脅されて、世話になった松尾家(博労総代の家)を裏切った源次でしたが、大金によって軟禁されてしまいます。
夫の裏切りを申し訳なく思ったお梅は、子供を連れて家を出、今は酒場で働いています。
そこへ、亡くなった松尾兼之助(小沢栄太郎)の娘・雪(藤純子)が現われ、お梅から真相を聞いた雪は、母子を自分のところへ匿います。
その後、源次は大金一家から逃走、源次夫婦と子供はほとぼりがさめるまでこの土地を離れることになり、雪に見送られて出立しますが、大金一家によって殺害されてしまうのでした。

源次夫婦と子供が土地を離れる場面で、「ああ、もうすぐ死ぬな」と思ったら、案の定、殺されちゃいました。

しかも、惨殺。

はじめに山城新伍が殺されて、亡骸に取り縋って泣いていたますみたんも凶弾に倒れるのですが、アップで映ったと思ったその刹那、画面いっぱいに血がドバーッと飛び散るんですわ。

一瞬、ホラー映画かと。

悲劇性を強調するというよりは、ただただ陰惨で、子供が殺されなかったのが、せめてもの救いでした。

そんなこんなでストーリーも低調、最後の銃撃戦もなんかスカッとしない仕上がりで、なぜか無性に呉宇森(ジョン・ウー)作品が観たくなってしまいました。

ラストは、純子たんが愛する健さんを馬で追っかけていくという、釈然としないオチ。
『モロッコ』か、はたまた夫婦渡り鳥か?

(於:浅草名画座)
by sen1818 | 2004-04-26 22:54 | 橘ますみ

貯まるかな? (管理人名:せんきち)


by sen1818