人気ブログランキング | 話題のタグを見る

マクダル パイナップルパン王子 (麥兜 菠蘿油王子)

2004年、香港(Lunchtime Production Ltd.)。
謝立文、麥家碧原作。袁建滔監督。

2001年の『麥兜故事』に続く、香港アニメ・マクダル(麥兜)の劇場公開版第2弾。
今回は、これまで語られることのなかったマクダルの父・マクビン(麥炳)の秘密が、ついに明かされます。

マクマグの母・マク夫人(麥太)が語ったその物語は、マクビンは実は落魄した王子(パイナップルパン王子)で、ある日、婚礼写真を撮ろうと立ち寄った写真館で王子の扮装をしたところ自らの過去に覚醒、「自分探し」の旅に出たまま、二度と戻らなかったというものでした。

わたくし自身は、マクダルの家が母子家庭であることに関して、「ああ、そうなんだ。離婚でもしたのね」ぐらいにしか思っていなかったので、別に父親がどうであろうと関係なかったのですが、「父は過去を見ていて、母は未来を見ていた」(たしかそんな感じの台詞)というナレーションには、男女の心のすれ違いが見事に言い表されており、「やっぱりこれ、大人の童話だわ」と思いました。

映画のストーリーは、この父親の物語に、マクダルの住む街の再開発計画が絡み、人間(あ、ブタか)の過去と現在と未来及び香港という街の過去と現在と未来とが、重層的に描かれていました。

でも、前作に比べて、ちょっと難解、というか、子供には難しいですね、これ。
哲学的過ぎます。

前作に引き続き、ナレーションを林海峰(ジャン・ラム)、マク夫人の声を呉君如(サンドラ・ン)、園長先生の声を黄秋生(アンソニー・ウォン)が担当していましたが、今回の呼び物は何と言ってもマクビンの声を劉徳華(アンディ・ラウ)が担当していたことでしょう。
会場にも、多くの華仔ファンが駆けつけていました。
比較的抑えた演技で、なかなかよかったと思います。

それから、前作やテレビではクラシック音楽が多用されていましたが(著作権料がかからないかららしいっす)、本作では懐メロも使われていました。
懐メロといい、画面に現われる昔の香港の情景といい、大人にはたまらなく郷愁を誘う作品だったことでしょう。

何度も言うけど、やっぱり大人の童話だわ、これ。

(VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ Screen2)
by sen1818 | 2004-10-31 13:40 | 映画

貯まるかな? (管理人名:せんきち)


by sen1818