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若い人 (年輕人)

1972年、香港(邵氏)。張徹監督。姜大衛,狄龍,陳觀泰,陳美齡,陳依齡主演。

『高校生番長』香港編。
というのは冗談ですが、香港の学園ものです。
といっても、講義の場面は一つもなく、みんな、部活に熱中していました。
どちらかというと、東宝の学園ものに近いのかなあとも思いましたが、キャラはこちらの方が濃いです。
男子学生の顔、半数以上が佐藤允。
ムキムキマン(死語)の楊斯も、バスケ部部員でした。
王鐘も、出てましたね。

内容は、学園の花形であるバスケ部の狄龍と國術(武術)部の陳觀泰とのライバル関係を軸にして、そこに音楽&舞踏部の姜大衛(実は武術の達人)が絡み、3人がやがて固い友情に結ばれて、その後・・・・というものでした。
ストーリー的には、1959年の電懋作品『青春兒女』に似ています。
が、電懋作品が女優中心の筋立てなのに対して、こちらは男優中心のドラマ。
ときどき「保毛尾田家」な匂いもいたします(張徹監督は、かつて女優中心のドラマを書いていた時にも、『遊戯人間』のようなちょっと性倒錯を思わせる映画の脚本を書いていました)。
したがって、女優さんは刺身のツマ程度の扱いで、アグネス姉妹も安ーい使われ方のような気が・・・・。
張徹監督、女性に対して何か個人的な怨みでもあるんでしょうか。

でも、アグネスの歌は満喫できますよ、それなりに。

それから、午馬が青大将みたいな役どころで、笑かしてくれました。
フケ顔だから、いったい何年留年したのかと思っちゃうけど。
また、バスケットボールの試合中、歩行不能なほどの傷を負った狄龍に対して、陳觀泰が「中国伝来の整体」を試み、エイヤッとばかりにバキバキ治療を施すと、あら不思議、狄龍はあっという間に回復、というありえない展開も、笑いのツボを刺激してくれました。

最初のバスケットボールの試合ではシチズン、最後のカートレースではセイコーと、日本の時計が大活躍していました。
日本、といえば、本作のカメラも宮木幸雄(〔龍/共〕慕鐸。1934~)。
張徹監督は、彼のことを「香港アクション映画における、手持ちカメラ使用の撮影技術を向上させた」と評していますが、日本でもそろそろ宮木の功績を省みる時期に来ているのではないかと思います。

親サイトに、宮木コーナーでも作るか。

付記:「保毛尾田家」のこと調べるんで、「保毛」でググッたら、こんな地名が。「ほげ」と読むらしいけど。
下のお写真は、おまけ。1960年代半ばの香港でのシチズンの広告。樂蒂がイメージキャラクターを務めています。

若い人 (年輕人)_a0012778_21105772.jpg


(於:VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ Screen6)
by sen1818 | 2004-10-24 13:12 | 映画

貯まるかな? (管理人名:せんきち)


by sen1818