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大海計劃 (The Sea Plan〔12Turtles〕)

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1987年、台湾(中影)。王俠軍監督。易天行、王鳴增、余姿辰、12匹の海亀主演。

台湾のお子様ほのぼのムービー
原作・脚本を、『ある女の一生(我這樣過了一生)』(1985年)で名高い張毅監督が手がけています。

台湾北部ののどかな漁村・福山鎮(架空の地名みたいです)を舞台に、海岸に突如流れ着いた12匹(亀の数え方って、これでええのん?)の海亀を巡り、海亀を使って一儲けを企む地元のチンピラ&成金と、海亀を無事に海へ帰そうとする落ちこぼれ小学生3人組との、丁々発止のやりとりを描いています。

子供と動物の心の交流を描いた台湾映画というと、真っ先に『娃娃と子豚(娃娃)』(1991年、柯一正監督)を思い出すわたくしですが、これはそれよりも4年前の作品です。
子供と動物に弱い私にとっては(『娃娃と子豚(娃娃)』では、子豚が溺死する場面で号泣しました)、もう無条件でOKという映画でありました(甘すぎなんだけどね)。
ま、かなり浮世離れした展開と言えなくもないのですが、なかなか手堅い脚本と演出で、安心して観ることが出来ましたわ。
親と子で楽しく観る映画として、おすすめいたしますです。

それにしても、海亀を使って一儲け企むチンピラ&成金のアイデアが何かと思えば、海亀を生き神様に見立てた廟を建立(下のお写真)、参拝者から寄付をふんだくってウッハウハという、日本人には想像もつかないもの。
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あたしゃてっきり、鼈甲に加工してぼろ儲けするのかと思っていましたわ。
(海亀を)殺さないところも、お子様映画ならではの描写なのでしょう。
チンピラもかなり間が抜けてますし。

ただ、ちょっと気になったのが、台湾語の扱い方。
チンピラや村の漁師、お年寄りが会話をする場面でのみ使われており、どうも北京語より一段低い扱いをしているような印象を受けました。
やっぱり、張毅監督が外省人だからなのかなあ。
そういう(省籍)せいにはしたくないのだけれど。

さて、本作では主演の子役3人が大人顔負けの奮闘ぶりを見せていましたが、12匹の海亀の名演技(?)をこそ称えるべきかも知れません。
生き神様にさせられたり、サーフボードに載せられたり、ヨットの上から海に落っことされたりと、動物虐待に近い描写が目白押しで、どこの海亀を使ったんだか、ほんとご苦労さんなことです。

ところで、劇中、ちらりと登場する女の子(下のお写真)を観て、「あれ?ひょっとして、この子は・・・・」と思ったら、やはり、今をときめく大Sこと徐煕媛でした。
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タイトルバックには名前が出てこないのですが、色々調べてみたところ、どうやらこれが彼女の映画デビュー作のようです。

なお、主題歌を黄韻玲と趙傳が歌っていました。

付記:王俠軍監督は、後に張毅監督と女優の楊惠姍と共に映画界を離れ、ガラス工芸家に転身しました。
by sen1818 | 2004-10-17 00:08 | 映画

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by sen1818