1969年、東映京都。中島貞夫監督。ナレーション:西村晃。
東映セックスドキュメント
第1作・・・・なんですが、日大全共闘(水道橋の経済学部前でえっさほいさ。ヘルメットに学部名書いてあるところが、なんとも言えませんね)や唐十郎の状況劇場(紅テント)、ハプニング・アートの
ゼロ次元等々、時代を象徴する風俗がてんこもりでした。
が、あくまで興味本位なわたくし的には、バーのカウンター内に腹ばいになって寝そべり、ホステスさんたちに踏まれて喜ぶM男なんかの方が面白かったっす。
M男ちゃん、この後聖水飲んだり便器の水で顔洗ったり、大はりきりでした。
他にもいくつか「なるほどねえ」と思う件がありましたが、以下順不同で取り上げてみます。
○夏の夜の公園
人目も憚らずにエキサイト中の男女が映し出されますが、たぶん仕込みでしょう。
そうでなきゃ、盗撮?
ハッテン場にも行って欲しかったところです。
○トルコ風呂(ソープ)
ここも仕込みかと。
ボディ洗い&おスペでやに下がる男。
○整形美容
隆鼻術、二重まぶた、豊胸と、痛い映像が目白押し。
交通安全啓蒙映画で失神した人には、かなりきついかも。
驚いたのが、手術をする医者と看護婦が素手だったこと。
手袋しろよ。感染症にかかったらどーすんだ。
あの頃の豊胸は、シリコンバッグや生理食塩水じゃなかったみたいですが、後でかなりやばいことになってるんじゃないかなあ。
○刺青を彫る女
今みたいなファッション感覚の刺青ではなく、本式のやつを彫っていました。
女の子がもうちょっときれいだと・・・・って、贅沢すぎますね。
凡天太郎(彫清)は、女の子を見ると、
彫らないか?
と誘っていたそうですが、やっぱり、男よりも女のほうが彫心(?)をそそるのかしらん。
○ブルーフィルム撮影現場
これもある程度は、仕込みだったんじゃないかと思います。
女の子(色気のないズロース履いてました)は、知らなかったかもしれんけど。
川口探検隊を思い出しました。
○関西ストリップ
踊り子さんのコメントがよかったです。
お客さんはとにかく裸だけを見たがるので、真面目に踊っていると「早く脱げ!」と怒り出したり、舞台を見ないで新聞や雑誌を読んでいたりするのだそうです。
「ここまで来たら、あとは裸のまま逆立ちでもするしかないわね」というやけくそ気味の一言が、妙に印象に残りました。
でも実際には、この後レスビアン・ショー(レスです。レズじゃなくて)が一世を風靡したようですけれど。
裸になってご開帳する踊り子さんの股間に、食い入るような視線を送るお父さんたちの姿が、生々しかったですわ。
○ヌードスタジオ
やたらすね毛の濃いお姉ちゃんが出てきて、気になって仕方がありませんでした。
ストリップの時も、踊り子さんの腋毛が密生してましたし。
○生きている赤線地帯
飛田新地(大阪)が出てきました。京撮に近いからでしょうか。
京都なら、五条楽園があったはずですけれど。
そういえば、先日、うっかり黄金町(横浜)のちょんの間地帯に入ってしまいましたが、すごかったですねえ。
飛田以外にも、「北海道の怪しい飲み屋街」(
函館らしいっす)やコールガールにもちょこっと触れていました。
コールガールと言うと、1973年に
『セックスドキュメント 金髪コールガール』なんていう映画が作られていますが、全く同じ年に香港でも、そのものずばりの
『應召女郎』(コールガールの意。東宝の
『レッツゴー!若大将』に出ていた陳曼玲や、李小龍ファンなら皆知ってる丁珮がコールガールを演じています)が作られました。
で、締めは沖縄へ渡った唐十郎のルポ。
黒人と日本人のハーフ娘に取材を試みています。
娘さんが「沖縄は好きだけれど沖縄の人は嫌い」と言う、その理由が「戦争に負けたから」というのは、沖縄の人たちにとってあまりにも酷というものでしょう。
怨むなら、ヤマトの人間を怨むべきです。
ところで、中島監督はこの他にも、
『驚異のドキュメント 日本浴場物語』やら
『セックスドキュメント 性倒錯の世界』やら
『セックスドキュメント エロスの女王』なんかのセックスドキュメントを手がけています。
それらの作品も、観てみたいものです。特にお風呂と性倒錯。
(於:新文芸坐。混んでました)