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ジーンズ・ブルース 明日なき無頼派

1974年、東映京都。中島貞夫監督。梶芽衣子、渡瀬恒彦主演。

「さそり」シリーズを終えた梶芽衣子たんが、京都撮影所で撮った作品
「和製ボニー&クライド」を狙った作品らしいっす。
『東映ピンキーバイオレンス浪漫アルバム』に載ってた伊藤俊也監督のインタビューによると、芽衣子たんは当時フェイ・ダナウェイみたいな女優に憧れていたらしいから、そんなこんなで通った企画かも。

でもねえ、なんかねえ、「無頼派」と言われてもねえ。
芽衣子たんが、渡瀬恒彦のママみたいに見える場面が多くて(慈愛のまなざしなんか向けちゃうのよね)、ちょっと・・・・。
アナーキー、という点で言えば、近松の『冥途の飛脚』の方が、もっともっとアナーキーだし。
なんか、あそこまではじけちゃう必然性が感じられないんだわ。

途中、京都の路地裏を、芽衣子たん&渡瀬と内田良平一派(拓ぼんいいわ)が追いかけっこをする、その軽妙なタッチがけっこう面白かったので、そのノリで全編突っ走ってくれればなあ、と思いました。
つまり、ほんの軽い思いつきのつもりが、なりゆき上深みにはまってのっぴきならないところまで追い込まれる、というパターンね。
さもなければ、初めからもっと切羽詰った感を強調するとか。
そのどちらにも徹し切れていないので、なんだか中途半端なままでした。

ラスト、あれだけすごい命中率で警官をぶっ殺していた芽衣子たんが、たった一発の銃弾で仕留められる(額に命中)のは、あっけない、というか、きれい過ぎます。
ぼこぼこにされるのには、抵抗があったのかなあ。
もっと虫けらみたいに惨めに死ぬ方が、ここではふさわしいと思うのだけれど。

ところで、コンテナに閉じ込められちゃった芽衣子たん&渡瀬が、梅小路(京都)から貨物列車にごとごと揺られて舞鶴に流れ着く場面で、疑問に思ったことが一つ。
コンテナが開いた後、町の人たちによって警察に突き出されそうになったため、バイクを盗んで逃げるのですが、そのとき通り沿いに紅殻の壁がちらっと見えて、「あれ?もしかして一力茶屋?」と思いました。
しかしそうなると、京都の四条通になってしまうのですが・・・・。

ま、勘違いだろうけどね、あっしの。

あ、そうそう、冒頭に葵三津子たんが和服姿で登場、芽衣子たんがママをしている買春クラブ(というよりも、乱交スペースに見えました)で、オヤジ2人を相手に長襦袢はだけてエロエロ大乱闘、

「いきなり、ごちそうさま!」

という気分になりましたです。

この映画、7月9日に新文芸坐でもやるみたいですから、ご覧になりたい方はどうぞ足をお運びになって、その目で確かめて下さい。って、最後は宣伝になっちゃったな。

付記:なまじスケベ心を出したために、猟銃ばかりか命まで奪われてしまう不幸なハンターを曾根晴美が演じていました。薄幸のオヤジ・・・・。
新文芸坐の特集上映、個人的には7月2日の『にっぽん'69 セックス猟奇地帯』と『ポルノの女王 にっぽんSEX旅行』に期待しています。

(於:東映チャンネル)
by sen1818 | 2004-06-09 22:08 | 映画

貯まるかな? (管理人名:せんきち)


by sen1818